こんな疑問にお答えします!
- マイホームを買うことは当たり前ではない
- 多くの人には賃貸が無難
- マイホーム・賃貸のメリット・デメリット
- マイホームは負債になり得る
- 住宅の価値と価格は違う
- 金銭的・機能的・精神的な価値を知ろう
- 結局は自分が何を求めるか次第
目次
マイホームは本当に必要なのか?

結論から言うと、多くの人には賃貸が無難です。
その理由は不動産の知識がないために、購入時点で損してしまう場合が多いからです。
例えば本来2,000万円の価値しかない家を3,000万円で買ってしまったらその時点で1,000万円の損が確定する訳です。
多くの人が不動産の知識がないため、知らず知らずに損をしていることが多いのです。
とはいえ実際にはマイホームか賃貸どちらが良いかは前提条件により変わってきます。
上記は経済合理性しか考えていませんが、精神的豊かさを求めるなどの条件が加わってくると変わってきますね。
とりあえずここで抑えて欲しいことは以下のポイントです。
- マイホームを買うことは当たり前ではない
- 安易なマイホームの購入が貧困の原因になり得る
マイホームを買って一人前という考え方が一昔前はありましたが、時代が変わってきています。
マイホームを購入することでその後の生活が苦しくなっては本末転倒。
この記事ではいろんな角度からマイホームvs賃貸について解説していきます。
賃貸vsマイホーム:一生にかかる費用はそれほど変わらない?

賃貸とマイホームの費用は実はそれほど変わらないというデータがあります。
金融中央広報委員会が試算したデータによると、50年間の住宅費ではマイホーム購入が約8,200万円、賃貸が約8,600万円とそれほど差はないようです。
ただし固定資産税や修繕費がどれくらいかかるか、家賃相場がどうのように推移するかなどの不確定要素があるので、正確に予想はできません。
上記のデータでは若干マイホームの方がお得ですね。
ちなみに理論的には賃貸よりマイホームの方がお得です。
考えてみれば分かりますが、不動産投資というビジネスが成り立つということは賃貸より所有する方がお得だということです。
もちろん「理論的には」ですけどね。
マイホームを正当な価格で購入するには不動産の知識が必要です。
不動産投資はやりようによっては黒字にもなり、赤字にもなり得ることは想像つきますよね?
つまりマイホームの購入の本質は不動産投資と同じなんです。
赤字になるような買い方をすれば損をする。逆も然り。
私が賃貸が無難だと言う理由はここにあります。
ほとんどの人は不動産の素人な訳ですから、不動産投資なら赤字になるような買い方をしてしまう訳です。
持ち家と賃貸の費用の種類

賃貸の費用の種類
- 家賃
- 火災保険
- 更新料
- 共益費・管理費(マンションの場合)
- 入居時の初期費用
- 退去費用・引越し代
マイホームの費用の種類
マイホーム購入時の費用
- 物件価格+ローン金利
- 購入時の諸経費(不動産会社の手数料・税金など)
購入時には頭金+住宅ローンで物件を購入すると思います。
住宅ローンを組むので当然ローンの金利が発生しますね。
もし3,000万円の家で金利1%・35年間の返済なら、利息だけで約600万円になります。
金利2%なら1,000万円超です。(*条件により異なります。)
また購入時には仲介手数料や登記費用・登録免許税などの諸費用がかかります。
だいたい物件価格の7-10%を目安にすると良いでしょう。下記のシミュレータが便利です。
マイホームの維持費
- 修繕・メンテナンス費用
- 固定資産税・都市計画税(市町村による)
- 火災保険
- 管理費(マンションの場合)
意外と大きいのが修繕・メンテナンス費用です。
30年も住んでいたら必ず家は痛んできます。
特に水回りは顕著で、さらに長く住もうと思うと修繕やリフォームが必要になります。
修繕・リフォーム費用はだいたい1200万円程度かけていると言われています。
下手すれば修繕・リフォーム費用+ローン金利で小さい家が買えるくらいですね。
そう考えると物件価格以外にかなりの費用を払っていることが実感できると思います。
マイホームを買ったら数十年後のリフォームのために貯金する必要があるのです。これは盲点ですよね。
そのほかにも固定資産税・都市計画税といった税金や火災保険、マンションの場合は管理費などもかかります。
これらの維持費(修繕・リフォーム費用含む)を月ベースにすると2-5万円ほどかかるのです。
なのでよくある謳い文句の「ローンを返済し終われば家賃も払わなくて良い。」と言うのは実は違って、結局住まいの維持費を払い続けなければいけない訳です。
家は資産にならない!?

家は資産になると言いますが、本当なのでしょうか?
ここで一度資産と負債の定義を確認しておきましょう。
- 資産:将来金銭的価値をもたらせてくれるもの(将来お金が増える)
- 負債:将来金銭的価値を毀損するもの(将来お金が減る)
資産・負債の考え方についてはロバートキヨサキ氏著書の「お金持ちお父さん貧乏父さん」が参考になります。
上記の定義では家は資産になり得ますが、多くの場合は負債になってしまいます。
負債になってしまう要因をまとめてみます。
- 本来の価値より高い価格で購入してしまう(買った時点で損する)
- 新築の場合買った瞬間に不動産の価値が下落する(中古になるため)
- 不動産販売会社に法外な手数料を払ってしまう場合がある
- 時間とともに不動産価格が下落する
- 維持費がかかる
先ほども例に出しましたが、本来2,000万円の家を3,000万円で買ってしまうとその時点で損します。
賃貸でいうと、本来家賃10万円で住めるはずなのに15万円も払ってしまうような状態です。
また新築のマイホームを買うと、買った瞬間に「新築プレミアム」がなくなり、価値が下落します。
だいたい2〜3割ほど価値が下落すると思っていただければOKです。
また一部の物件をのぞいて、多くの物件では時間とともに不動産価格は下落していきます。
売る時にはそれなりの損失を覚悟しなければなりません。
またすでに説明したようにマイホームには維持費がかかりますね。
ローンを返済し終えても結局維持費はかかります。
このようにマイホームは負債になる(あなたのお金を奪っていく)可能性があるのです。
先ほど紹介した書籍「お金持ち父さん貧乏父さん」では、豊かになるためにはなるべく負債を避けて、資産を買う必要がると解説されています。
一般的な収入の家庭がマイホームという重荷を背負うと、豊かな資産形成をしていくことが中々難しくなります。
幸せのためのマイホームが豊かさを奪うというのは皮肉ですよね。
マイホームを買う場合はどの程度住宅ローンを組んで大丈夫かをしっかり検討する必要があります。
借り入れは年収の3分の1までを目安にすると良いでしょう。
無理な住宅ローンはその後の生活を苦しくします。
住宅ローンは将来の給料の前借りのようなものです。
将来の豊かさを先取りで消費してしまうようなものなので、どこまでリソースを割けるかをしっかり考える必要があります。
そもそもなんでマイホームが当たり前みたいになったのか?

そもそも第二次世界大戦前の日本には、現在のような住宅ローンで家を買って30年で建て替える習慣はありませんでした。
元々は代々家を継いでいくみたいな形が多かったようです。
その流れが変わったのが高度経済成長の時代です。
高度経済成長期に地方から都市へ人が集まり、人口が増えたことでたくさんの住宅が必要になりました。
しかし住宅は超高額の買い物のため、一般人には手をつけられません。
そのため住宅ローンの制度が整備されたのです。
実はこれには政府の国策も関係していて、家を次々と作ることでGDP(国内総生産)をあげたいという国の思惑もありました。
家をたくさん作ればそれに付随する家財なども消費され、経済が活性化していったので都合が良かったのです。
また高度成長期には物価上昇(インフレ)や人口増もあいまって、不動産価格は上昇しました。
不動産はインフレに強い資産なので、インフレ期には価格が上昇しやすいのです。
これが持ち家信仰に繋がっていくんですね。もちろんこの前提はバブル崩壊により崩れてしまうわけですが・・・。
バブル崩壊後は長くデフレの時代に突入しましたね。デフレはインフレの逆なので、不動産価格は特にプラスの影響はありません。
さらに人口減少も加わって、不動産を持っていれば不動産価値が上がる時代は終わりを告げました。
このように、持ち家というのは高度経済成長期には時代に相性が良く、取り組みやすい資産運用でもあったのです。
また国策とも合致して、政府・国民ともにWin・Winの状態でした。
しかし前提条件がひっくり返ってしまった現在ではこの常識は通用しません。
それにもかかわらず「マイホームは買うものだ」との認識だけが残ってしまったということです。
また資本家から見ると、実は住宅ローンは都合のいいツールでもあります。
労働者が住宅ローンを抱えてしまうと、返済しなければならない圧迫感から中々仕事を辞めづらくなります。
家族のために・・・と思うと多少条件が悪くても仕事を辞めにくくなってしまうでしょう。
これも高度経済成長期には割に合う仕組みではありました。
労働者は長期の雇用と年功序列の昇給を保証されていて、資本家は労働者を長く働かせるという、ある種のWIn・Winの関係ですね。
ただ現在では長期雇用の保証や年功序列の昇給の保証はなく、前提条件が全く違います。
もはや労働者目線では住宅ローンは足かせになり兼ねない状態です。
価値と価格について理解しよう!

価値とか価格は以下のように定義します。
- 価値:何かを買う時に得るもの
- 価格:何かを買うときに支払うもの
価格はそのままでただの値札ですね。
価値は何かを買う時に得るものと定義していますが、何かを買う時に得るものは以下のような種類があります。
- 金銭的な価値(お金が増える)
- 機能的な価値(何かに利用できる)
- 心理的な価値(満足感などを与えてくれる)
では家を買った時に得られる価値は何でしょうか?
- 金銭的価値→資産価値が上がるのであればあり。しかしほとんどの場合は無い。むしろマイナス
- 機能的な価値→賃貸より広い居住スペース・自由なカスタマイズが可能。
- 心理的価値→満足感・安心感。子供に広い家で遊ばせてあげられる等。
これらの3つの価値を分けて考え、判断する必要があります。
金銭的な価値のマイナスよりも機能的な価値+心理的価値が大きければ買う価値があるでしょう。
一生賃貸のメリット

- 住宅ローン関連のリスクがない
- ライフスタイル・ライフステージに合わせて家を変更できる
- 周辺環境リスクが小さい
- 維持費がかからない
- 勤務先から家賃補助を受けやすい
- 老後の施設に入る際に持ち家の処分をする必要がない
- 災害リスクが小さい
住宅ローン関連のリスクがない
賃貸の場合住宅ローンを組まないので、当然関連のリスクはありません。
住宅ローン関連のリスクとは例えば以下のようなものです。
- 住宅ローン金利が上昇するリスク
- 住宅ローン返済が滞るリスク
- 住宅ローン返済が滞る→家を売却する時に不動産価値が低下している場合、住宅ローンが残ってしまうリスク
こういったリスクがないのは賃貸の大きなメリットです。
ライフスタイル・ライフステージに合わせて家を変更できる
ライフスタイルやライフステージに合わせて家を引っ越すことができるのは賃貸の強みですね。
- 家族構成が変わった時(子供が生まれた・子供が独立したなど)
- 転勤が決まった時
- 収入が減ってしまい、ダウンサイズする必要がある時
など柔軟な状況に対応していくことが可能です。
持ち家だと子供が独立した後に部屋が多すぎる、家が大きすぎるなんて話もよく聞きます。
周辺環境リスクが小さい
賃貸は周辺環境のリスクにも強いです。
周辺環境リスクの例をあげてみます。
- 迷惑なご近所さんに当たってしまう
- 周辺に新しく高層ビルが建ち、日当たりが悪くなってしまう
- 工場や飲食店、娯楽施設などの住環境に影響を与えそうな施設が近くにある
- 治安の状況が悪くなる
- 騒音や臭いなどの問題
自分ではどうにもならない周辺環境のトラブルもあります。
そういった時に引越しを選択肢にできる賃貸は強みがありますね。
維持費がかからない
賃貸の場合自分で修繕・リフォームなどをする必要がないので、維持費がかかりません。
もちろんその分家賃はかかるわけですが、リフォームのようなまとまったお金を用意する必要はありません。
賃貸の場合は建物や設備の自然劣化による修繕は大家負担で済みます。
また入居者過失で修繕が必要な場合も、火災保険で補償してもらえる場合があります。
詳しくは下記の記事でも解説しているのでチェックしてみて下さい。

勤務先から家賃補助を受けやすい
住宅補助の内容は勤め先の企業により異なります。
住居補助のパターンは以下の三通りです。
- 借り上げ社宅として格安で従業員に提供
- マイホーム・賃貸に住宅手当を支給
- 賃貸のみ、住宅手当を支給
感覚値としては1か3が多い印象です。
家賃補助を受けやすいのは賃貸のメリットの1つですね。
老後の施設に入る際に持ち家の処分をする必要がない
ずいぶん先の話ですが、老後に施設に入ることを考えると持ち家の処分をする必要がないというメリットがあります。
老後に施設に入るタイミングは人それぞれですが、場合によっては自分で持ち家の処分をできない状態で入所することになるかもしれません。
その場合は空き家になるか、子供に処分してもらうかになると思います。
賃貸ならそういった煩わしさは少ないですね。
災害リスクが小さい
賃貸は持ち家と比べて災害リスクは小さいです。
賃貸の場合は災害によって建物が壊れても、大家さんの負担で修繕します。
持ち家の場合も保険である程度カバーできますが、全額の補償は出ない場合がほとんどです。
一生賃貸のデメリット

- 地方は選択肢が少ない
- 老後も家賃が発生するため、その分の備えが必要
- 高齢者の場合物件が借りにくい
- 自由なリフォームはできない
地方は選択肢が少ない
賃貸のデメリットとしては地方の特に田舎ではファミリー向けの物件が少ないこともあります。
ファミリーは持ち家が多い地域だとどうしても需要が少ないということでしょう。
また大きな庭でバーベキューをするなど、趣味のための設備を備えた賃貸物件は少ないかもしれません。
老後も家賃が発生するため、その分の備えが必要
賃貸の場合当然家賃が発生するため、その分の備えが必要になります。
持ち家を購入していない分貯蓄はできるはずですが、計画的に貯蓄できない人にはデメリットになるかもしれません。
若いうちから強制的に引き落として貯金をするような習慣をつけておくといいでしょう。
高齢者の場合物件が借りにくい
高齢者の場合物件が借りにくい場合もあります。
ただし基本的にキャッシュフロー(収入)があればそれに見合った物件は借りられます。(年金もOK)
キャッシュフローがなくても貯金があれば物件を借りられる場合もありますね。
大家さんに相談次第でしょう。
ただこの点に関しては楽観視しているところもあります。
というのも日本は全国的に空き家が問題になってきており、これからさらに増えることが予想されています。
このような状況であれば入居条件が緩くなることも考えられます。
とりあえず今の段階ではキャッシュフローなどの支払い能力があればOKですね。
自由なリフォームができない
自由なリフォームができないのは賃貸の大きなデメリットですね。
やはりどうしてもこだわりがある人はマイホーム向きかなと思います。
マイホームのメリット

- マイホームが欲しいという夢が叶う
- 注文住宅などは自分の好きな家を建てられる
- 賃貸と比較して高品質な住宅に住める
- 老後(ローン完済後)は比較的低コストで暮らすことができる
- 生命保険的な機能もある
- 持ち家であることが社会的な信用になる
- 住宅ローン控除を活用できる
マイホームが欲しいという夢が叶う
マイホームを建てることが夢だという人は多いですよね。
これは先ほど説明した心理的価値に当たります。精神的な豊かさですね。
注文住宅などは自分の好きな家を建てられる
自分の好きな家を建てられるというのはマイホームの醍醐味ですね。
賃貸とは違い、自由にカスタマイズ出来て理想の家を作ることができます。
こちらは機能的価値・心理的価値に当たります。
住宅に対するこだわりがある人はマイホームに向いていますね。
賃貸と比較して高品質な住宅に住める
マイホームを買う場合はそれまで住んでいた賃貸物件より高品質な住宅になる場合が多いです。
子供に広い家で育ってほしいと願う人も多いでしょう。
機能的価値・心理的価値を重視する場合はマイホーム向きですね。
老後(ローン完済後)は比較的低コストで暮らすことができる
ローンの完済後には比較的低コストで暮らせるのはマイホームのメリットです。
とはいえすでに解説した通り、実際には維持費がかかります。
しかし毎月のキャッシュフローで考えると賃貸ほど出て行くお金はないので、精神的には楽かもしれませんね。
もちろんローン返済までに多額のお金を支払っているのですが・・・。
生命保険的な機能もある
実は住宅ローンには生命保険的な機能もあります。
住宅ローンを組む時は団体信用生命保険というのに加入します。
内容をざっくり説明すると、本人が死亡した場合、残された家族はローンを返済しなくていいというものです。
ローンを返済しなくて良いので、残された家族に少なくとも住居を残すことはできます。
また残された家族が当面のお金が必要ということになれば、家を売るという選択肢も可能です。
持ち家であることが社会的な信用になる
持ち家があることが社会的な信用・ステータスになるメリットがあります。
銀行から融資を受ける場合など、持ち家があると信用が上がるなどのケースですね。
住宅ローン控除を活用できる
住宅ローン控除とは住宅ローンでマイホームを購入した場合において、一定の割合に相当する金額が所得税から控除される制度です。
住宅ローン控除を活用することで住宅取得にかかる費用を抑えることができます。
マイホームのデメリット

- 多額の費用が必要になる
- 住宅ローン関連のリスクがある
- ライフスタイル・ライフステージの変化に対応しにくい
- 資産ではなく負債になる
- 欠陥住宅・整備不良のリスクがある
- 自然災害リスクがある
- 売却の際に思っていた値段より低くなったり、買い手がつかない場合もある
- 会社からの住居補助が出ない場合がある
- 老後も費用がかかる場合がある
多額の費用が必要になる
すでに説明した通り、マイホームには多額の費用がかかります。
住宅ローンを組むので家賃がローンの返済に変わっただけのように感じますが、実際は全く別物です。
ローンが返済できない場合は家を売却する必要があります。
また売却時に不動産価格が下落していれば、売却後もローンが残り、賃貸とダブルパンチになる可能性もあります。
賃貸だったら収入が下がるなどの事態が発生したら、家賃が安いところに引っ越すなどの対策も可能です。
ライフスタイル・ライフステージの変化に対応しにくい
今説明した事とも関連しますが、ライフスタイル・ライフステージの変化に対応しにくいのも持ち家のデメリットです。
賃貸のメリットの項目で説明したことの真逆ですね。
- 転勤がある
- 迷惑なご近所さんに困っている
- 子供が増えて部屋が足りなくなった
- 収入が増えてローン返済が厳しくなった
人生には様々な変化があると思います。
変化に対応しにくいのはマイホームのデメリットと言えるでしょう。
資産ではなく負債になる
もう一度おさらいしましょう。
負債とはあなたからお金を奪っていくものです。
残念ながらマイホームを所有するということは様々な支出を抱えるということになります。
これが不動産投資ならそれ以上の家賃収入や売却益を得られればいいですが、住居用だとそうは行きません。
また中途半端な物件だと資産価値は下がり続けます。
金銭的価値はほとんどないマイホーム。
機能的価値と心理的価値をどれだけ重視するかがポイントです。
欠陥住宅・整備不良のリスクがある
マイホームを立てる際にはどうしても欠陥住宅や整備不良のリスクがあります。
こればかりは素人では防ぎ用がないというか、なかなか気付かない場合もあるので怖いですね。
災害の時に修理する際に判明したり、リフォームする際に判明するケースも多いようです。
自然災害のリスクがある
マイホームでは自然災害や放火などで建物が損傷するリスクやご近所さんに損害を与えてしまうリスクもあります。
火災保険などである程度は補償されますが、100%の補償は難しいでしょう。
日本は地震や台風などの自然災害が多いのでなかなか無視できないリスクです。
売却の際に思っていた値段より低くなったり、買い手がつかない場合もある
売却の際に思った以上に損失が出てしまったり、最悪の場合買い手がつかないなんてこともあります。
空き家問題が社会問題になるくらいなので、難しい問題なのは想像がつくと思います。
特に都市部の人気物件など以外は思った値段で売れない場合も多いようです。
会社からの住居補助が出ない場合がある
こちらは賃貸のメリットで説明したのと同じですね。
持ち家でも住宅補助が出る場合もありますが、賃貸のみや社宅のみという企業も多いようです。
老後も費用がかかる場合もある
住宅ローンは退職前に完済してしまえばキャッシュフロー的には賃貸より毎月の支出は少なくなります。
しかし住宅ローンが定年後も残ってしまった場合は結構きついですね。
ローンが35年なら40歳で契約すると75歳まで支払い続けることになります。
65歳で定年として、10年間ローンを払い続けることになるのです。
リタイヤまでには返済できるような住宅ローンプランを組む必要がありますね。必要であれば期間短縮型の繰上げ返済などをする方法もあります。
また家が古くなれば修繕・メンテナンスの費用も必要になります。
すでに説明した通りマイホームの修繕・メンテナンス費用は生涯で1200万円程度かかっているそうです。
またリフォームO-uccinoによる調査によれば、一回の修繕リフォームにかかる費用はだいたい以下のようになるようです。
- マンション:200万円〜360万円
- 一軒家:320万円〜560万円
>>参考:リフォームO-uccino
そのほかにも固定資産税やマンションであれば管理費などもかかってきます。
リタイヤ後に発生する費用を考えた上で貯蓄をしていく必要がありますね。
マイホームと賃貸、結局どっちが良いのか?

結論として、多くの人には賃貸が無難だと思います。
やはりマイホームは金銭的なマイナスが非常に大きいからです。
ほとんどの人は不動産の素人なわけで、正当な価格で持ち家を購入するのは難しいのです。
もちろん実際にマイホームか賃貸かを選ぶかはあなた次第です。
人それぞれ条件や状況は異なります。
本記事でも紹介した3つの価値「金銭的価値」「機能的価値」「心理的価値」全てを考慮してそれでもマイホームが良いという方はマイホームを選んで良いと思います。
ただしマイホームを購入する方はこのマイホーム購入する人の三箇条を必ずチェックして下さい。
- 住宅ローン期間の収入が安定している
- 資産価値が半分になっても大丈夫な人
- マイホームをすみ潰す予定の人
また中古の家を買うことで、資産価値の下落を和らげることができます。
先ほど説明したように新築→中古になると新築プレミアムがなくなり、資産価値が下落しますが、中古の場合はそこまでありません。
不動産物件の価格は15〜20年で下落して落ち着きます。
そのあたりの物件を狙えば資産価格の下落を減らすことができるでしょう。
中古住宅とはいえ、機能的価値は十分に満たしています。
心理的価値をどこまで妥協するかということですね。
マイホームは平均的な収入の人々には大きすぎる買い物ゆえ、間違えると取り返しのつかないことになります。
しっかり考えた上で決断するようにして下さい。
まとめ

- マイホームが本当に必要か見直そう
- 不動産の知識がなければマイホーム購入は損をする可能性が高い(金銭的に)
- 家は負債になりうる(お金を奪っていく)
- 住宅ローンは将来の豊かさの先取りである
- 住宅ローンを返済し終わってもマイホームの維持費はかかり続ける
- 金銭的価値・機能的価値・心理的価値を理解し、マイホーム購入時に考慮しよう
- 中古住宅や賃貸を選択することで、大きく節約できる
- マイホームか賃貸かは結局自分次第→人生が豊かになる選択をしよう!

